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2009 年頭の言葉
                    
辰年の年頭にあたり   
                        家元八世  川上宗順
 新年明けましておめでとうございます。
 流祖は武道の極意とされる守破離の三字を点前にあてはめています。

 ある時、声楽家からこの守破離がわからないので説明してくださいとたずねられました。オペラ歌手ならばベルカントを学ぶでしょう、その第一歩は一切の自己否定のドレミから教えられたはずです。でもそれでは歌になりません。厳しい稽古からやがて自分の声、歌が生まれるのではないでしょうか。

 では離は
 発表することです。舞台で歌い批判や賛辞を受けること、批判があれば守、破に戻り、賛辞ならそこを磨けばよい、だから舞台が大切なのですと。その時はもっと詳しく話したとおもいますが大要はこの通りです。そのソプラノは今もさらなる高みに向かって活躍しています。
 
 茶事や茶会は自分の茶道を発表する場、自分はこういう茶道をしています、自分はこういう点前をしていますと。点前の中の自分を見てもらうところ、守そして破で得た点前がどうかと。
 これを繰り返し、繰り返して自分の点前を築きます。自分にしか出来ない自分の点前を築いてゆく、離ーこれこそが弧峰不白。

 本年も点前の中に生き生きとした自分を出現させていきましょう。

( ゆきま巻頭言より )















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