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不白流白和会 春季茶会

春雨が新緑を鮮やかに輝かせた平成20年5月3日(祝)、不白流白和会春季茶会が行われました。
長年茶会のメインを飾った重要文化財の護国寺月光殿 は文化庁の文化財保存により本年秋に解体修理が行われるため 6月から使用不可となり、事実上最後の席となりましたが各席趣向溢れた全八席は多くの会員で賑わっていました。
 月光殿    主・池田 宗和
 月光殿  最終席
床には流祖筆の「茶者瑞草魁」が中央に、 当代筆の「舞千年松」「亀遊萬年巌」が左右に掛けられ牡丹の花と相まい、 小石川後楽園焼の利休七種写しの茶碗がそろって振る舞われ席主八十の祝いを物語り圧巻のお席でした。 お客さまが二重三重とたくさん入席。 人気の高さを物語っていました。
 牡丹ノ間   主・山本 雅蓮
  草蕾庵   主・伊藤 秀汀
軸は当流二代、流祖とともに不白流を確立した宗什翁の時鳥和歌詠草に花入が宗旦の一重、不白の箱。茶杓が三代眉山作と流の歴史を物語る席でした。 流祖自作赤楽茶入、銘「大安」。対する茶碗は流祖の後援者であった豊後岡藩竹田城主八代の六十の祝いの了入作と流の歴史を物語る濃茶に当代の新好み、「孤峰の昔」がふるまわれました。
   不昧軒   主・杉本 柳惠
   円成庵   主・長嶋 柳佳
流祖のお軸「青柳や 枝から枝へ 日の雫」に土風炉と釣瓶の水指はまさに初風炉の取合せ。赤楽茶碗、当代お心入れのお棗、お茶杓と見事な道具組に心奪われるお席でした。 席主の長嶋先生は九十歳。 軸の流祖も落款に九十翁不白と席主の祝いを祝福していました。ご高齢ながら見事なお道具組とご説明。殊に金森宗和作のお茶杓がご馳走でした。
 月窓軒  主・保泉 宗雪
   化生庵   主・小林 宗惠
床は流祖筆「養氣故保万寿」、当代好の白和棚に平戸白磁染付が爽やかに。当代作茶杓銘「無心」そのものと思える茶杓が五節句蒔絵の棗にとけ込んでいました。 床に当代筆の「足るを知る者は常に富む」の語から「知足」。肩にご母上から六十の誕生日に戴いたという「百禄是荷」百禄これになう(天からの恵みを受ける)の関防印が押されてありました。さいかちと白糸草の花がみごとに生けられ珍しい釣鐘釜に注目が集まりました。
 宗澄庵  主・出井 柳幸 ・ 布川 柳晶

流祖米寿筆の福禄寿自画賛に珍しい武蔵鐙の花が四方の萩花入に良く映っていました。注目は紅安南と茂三の茶碗。朱と緑の絵付け、見込みの蛇の目、高台の内渋と約束通り。替は俗に茂三のひと刷毛目と呼ばれる茶碗でした。

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