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子の年の年頭にあたり
家元八世 川上宗順
十二支の最初、子の年。十二年後また巡り来る子の年
”子”という字は同じでも何ひとつ同じものはない。
一年の初め、一月元旦ー三百六十五日を経てまた元旦。
月日は一月一日だが同じ日ではない。
大晦日、夜半炉中の火を埋火にして元旦の早朝、釜を水屋にさげ、半田に残らず火をあげ底取りで炉中をあらため新たに下火を入れ、沸し釜にした釜を掛けて初炭。毎年毎年繰り返す所作、だが同じようであっても同じではない。伝統はこの繰り返しによって育つ。繰り返す以外に育つ道はなく続行することこそ力となってゆく。
点前の最初ー平点前ーあらゆる基本がこの中にある。
平点前を身につければあとは一瀉千里、真の台子の点前もこの中に納まる。この点前を身につけるために同じ点前を繰り返す。
同じであっても何一つ同じものはない点前、
この点前こそが孤峰不白の点前。
本年も初心にたちかえり繰り返し繰り返し平点前をみがいていきましょう。
( ゆきま巻頭言より )
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