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* 波上宮献茶式並びに
  御家元古稀御祝茶会
  (2013年)
2017 年頭の言葉
                    
酉年の年頭にあたり   
                        家元八世  川上宗順
 新年あけましておめでとうございます。

 流の皆様も良き年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
道場では新年を迎えるにあたり12月13日の正月事始めに簡単なすす払いをし、直門会納会を終えて明くる日から本格的な迎春準備にとりかかります。庭師も入るとさらにあわただしさを増し大晦日までは掃除、掃除の毎日、それでも祖堂の流祖や玄関の1年 間立ちっぱなしの韋駄天さんを布団に寝かせ日向ぼこをさせてあげるのもこの暮 ならではのことです。門松を立てたり新年の道具を揃え床飾りをするのも1年ぶ りの楽しい時ですが、いよいよ大晦日は大変の一大事、家中走りまわり足も棒に なる頃、年越そばをいただき釜をかけ除夜の鐘の前に半田を持ち出して炉中の炭を埋火にします。福茶をいただき、おせちを整えてやっと開浴、すでに3時近い時間です。

 道場の新年はこの埋火を開くことから始まります。明け方炭を全て半田にあげ 炉中を整え下火をくめ新しい炭をおき水屋で釜をふかし釜にして炉にかけます。 浜町時代は「吉例の通り六ッ時大福」でしたが今では屠蘇雑煮で祝い、おせちをいただき大福茶としています。それから氏神様にお参りに行きやっと一息という ところです。

 こうして新年を言祝ぐ飾りやおせち料理等々めぐりくる年を違いなくまもるこ とは伝統をつなぐこと、その意味で正月は茶道にとって大切な行事の日です。毎年毎年同じことを繰り返しますが、この中に創造することが生まれてきます。毎年の埋火、近年下火に四方炭を復活させたところ、置く炭に新しい変化がありました。

 点前も繰り返し繰り返し正しく点てることにより新しい点前となるのです。本年も皆様と共に点前を行じてゆきましょう。


( ゆきま巻頭言より )




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