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未年の年頭にあたり
家元八世 川上宗順
新年あけましておめでとうございます。
会員の皆さまも良き年をお迎えのここと存じます。
昨年は先代夫人の故郷、山梨の富士吉田で全国大会が開催され、晴天そして富士山のもと大成功裡に円成しました。
濃茶は桂川の清流の聲と共に点てられ、野点の薄茶は初冠雪の富士、小春日和の光と紅葉の中でまさに普段喫することのできない一碗をいただくことが出来ました。まさにこの一碗のための全国大会。
茶会は招く側と招かれる側、いわゆる主と客。この二つがないと茶道は成立しない。点前と道具、この二つがないと茶は点てられない。学校は先生と生徒、この二つがないと学校にならない。そしてよりよい師はよりよい生徒をつくる、この逆もまた真。
ある時は主、ある時は客 主となる工夫、客となる工夫。
これは茶道の実践から得られるもの。主方の苦心の道具組。軸から 花から 茶碗からそれらを勉強すればするほど茶の美という高い教養が身についてゆく。茶会や茶事の土台となる普段の稽古、その点前の修得はより確かな自分をつくり、より高い自分を構築してゆく。
本年もこの道に精進してまいりましょう。
( ゆきま巻頭言より )
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