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七世宗順宗匠筆
亥年の年頭にあたり
先代宗匠 孤峰の墨跡によせて
家元八世 川上宗順
孤峰
孤は”ただひとつ” 峰はとがった頂ーpeak。
流祖は師如心斎に伴い大徳寺の塔頭玉林院で大龍禅師に参禅、如心斎は八角磨盤空裏走、流祖は庭前柏樹子の公案で見性(悟り)した。のち流祖は禅師から孤峰不白の号を授かった。出典は”雪は千山を覆う、何としてか孤峰不白なる”(雪覆千山為甚麼孤峰不白)の禅語だが山々は雪で覆われているのにたったひとつ白くない山がある、この意は何か。
たったひとつの山ーOnly Oneーたったひとつ
たったひとつの尊い自分、このたったひとつの尊い自分に何の色があろう、白でもなければ黒でもない、赤でもなければ青くもない、それこそが異中の異
どんな色にも染まらず萬象中ひとり身を露す。
そのものこそが孤峰ー不白
不白流の点前は同じー稽古を積み重ね手中におさめた自分の点前は同じ中にあって静かに光を放つーこれが孤峰不白の点前。
この点前の一碗こそ尊むべきの一碗
尊むべきの一碗は喫すべきの一碗
この一碗のために茶道の稽古をする。本年も孤峰不白の一碗に向かって精進してまいりましょう。
( ゆきま巻頭言より )
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