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* 波上宮献茶式並びに
  御家元古稀御祝茶会
  (2013年)
    2022 年頭の言葉
                    
寅年の年頭にあたり   
                        家元八世  川上宗順

 新年あけましておめでとうございます。

 流の皆様も良きお年をお迎えのことと存じます。

 今年は寅年、現道場が開庵したのは昭和60年12月8日、明けて昭和61年が寅年で以来三たび寅年を数え今年は4度目の寅、道場は36歳という、人間で言えば働き盛りです。虎の気こもる道場で稽古や茶事に励まなければならぬところですが、このコロナ禍、稽古すらどう対処してゆくかと模索してもなかなか解決には到達しない現状です。感染対策は三密回避と、しかし困ったことに我々は極小の世界での密接、茶室という極小の中で料理を食し一碗を喫す、これが我々の世界。その世界は点前のみ。茶人は点前を通して茶を点てる、そしてその一碗をいただくこと、我々から点前という事サ(ワサ)をとったら何もない。

 今は茶事も、茶会もしばらくの時、こんな時こそ点前を見つめ直し更に自分のものにする。同志の茶友達と堂々と稽古にはげみ点前を通して茶力を貯え、時に備えてゆきたい。説文によれば“寅の字は春をひかえて上昇する陽の気を表す”とあり点前に気力をこめて茶力を養い虎の歩むが如く歩を進めてまいりましょう。

 

( ゆきま巻頭言より )




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